最近ネットワークの勉強を少しずつしていて、その一環でこちらの本を読みました。
こちらの本は「手を動かしてネットワークを作ってみる」というコンセプトもあり、手を動かさないと頭に入らない人間としては非常に気になったのですが、事前リサーチしたところ以下のポイントが引っかかって読むかどうか悩んだんですよね。
- 演習はGNS3というネットワークエミュレーターツールを使うことを主軸に置いている
- GNS3を使うにはCisco IOSイメージファイルが必要
- IOSイメージファイルは実機ルータからダウンロードする必要がある*1
- 当方Ciscoの実機ルータを持っていない
しかし、よくよく説明を読んでみると、「別途Cisco Packet Tracerというツールでも演習ができるよーただし具体的なやり方は紹介はしないよー」という感じでした。
そこでものは試しとCisco Packet Tracerで演習にトライしたところ、いくつかのポイントを押さえればほとんど躓かずに進めることができました。
書籍レビューを見ると「実機ないしGNS3での環境セットアップでつまづいた」みたいな声をちらほら見かけたので、「こうすればCisco Packet Tracerでもスムーズに演習できたよ!」と伝えたいのが本記事の主旨になります。
"Getting Started with Cisco Packet Tracer"(無料)をやるべし
"Getting Started with Cisco Packet Tracer"はCiscoが提供する無料のオンラインコースで、タイトルの通りCisco Packet Tracerの使い方を一通り学ぶことができます。*2
そもそもCisco Packet Tracerをダウンロードするには、下記ページから "Cisco Skills For All"というCiscoが提供するオンライン学習サービスにアカウントを作る必要があり(無料)、アカウント登録後しCisco Packet Tracerをダウンロードすると、"Getting Started with Cisco Packet Tracer"のコースがレコメンドされるようになっていました。 www.netacad.com
全部を真面目にはやらず、基本的な使い方がわかる程度にざっと目を通すくらいでOKで、1時間もかからなかったかなと思います。
こちらのコースを受講していたおかげで、本書『[ネットワーク超入門]手を動かしながら学ぶIPネットワーク』の演習もCisco Packet Tracer上で躓かずに進められました。
逆にここで使い方を押さえてなかったら結構詰まってたかなと思います。
サポートページから提供されるPDFファイル「Cisco Packet Tracerでの演習」に目を通すべし
本書の演習はサポートページでダウンロードできる演習用ファイルをCisco Packet Tracerで開いて進めていく構成になっています。(Cisco Packet Tracerを使う場合) gihyo.jp
実はこのダウンロードファイル、特にどこにも説明等はなかったのですが、Cisco Packet Tracer演習用ファイルだけではなく「Cisco Packet Tracerでの演習.pdf」というファイルも含まれていたのです。
これPDFの内容がかなり助かる内容でした。
Cisco Packet TracerはCisco機器のすべての機能をシュミレーションできるかというとそうではなく、一部制限があります。
PDFでは演習内でこの「一部制限」に引っかかるような部分をきちんと説明してくれていました。
また、GNS3とのコマンドやGUI操作の差異なども記載されています。
例えば、書籍内ではPCにIPアドレスを設定するのにCLIでコマンドを入力しているが、Cisco Packet TracerではコマンドではできずGUI上のこの項目で設定する、などがきちんと説明してくれてました。
このPDFの存在に最初は気づいてなくて、あやうく途中で心折れてリタイアするところでした。
本書のどこかに「ダウンロードファイルのなかにCisco Packet Tracerとの差異をまとめているファイルがあるよー」と一言記載してあっても良かったのかなと思いますねえ。(私が気づいてなかっただけかも)
以上です。
けっこうニッチなトピックではありますが、演習自体の満足度が自分はかなり高く「Cisco Packet Tracerでトライしてみてよかったー!」と思っていたので書いてみました。
ルーティングプロトコル(RIP)を使ってルーティングテーブルが動的に設定される体験など「おー!」と感動する場面がいくつもあってよかったです。
一点だけ残念だった部分があるとすれば、Cisco Packet TracerではリフレクシブACLの設定に対応してなかったことですかね。
今回のインターネット接続演習の醍醐味だなーと思っていたので。
それでもわかりやすい図解などで概念はよく理解できましたし、他の演習はCisco Packet Tracerの機能範囲内で実施できたので、総論よかったなと思います。