2023年 産休育休中に取り組めたこと総括

2023年が終わりましたね。

早いもので産休に入ってから約9ヶ月が過ぎました。理想としてはこのタイミングで仕事復帰したさがあったのですが、年度の最中の保育園はなかなか空きが出ないということで、絶賛待機中でございます。

一応はここで育休が終わっても滞りないように物事を進めてきたので、お気持ちとしては実質育休終了で、あとは残りカス、はたまたボーナスタイムのようなものです。

なので、このタイミングで育休中に取り組めたことについてまとめとこうと思い立ちました。

まず全体として、満足度の高い産休育休生活を過ごせたと感じています。

夫も同時に育休を取得していた、子の寝付きトレーニングが大成功を収めた、産後3ヶ月ほどで体調が安定してきた、など良き要因が重なったおかげか、事前に想像していた以上に色々なことに取り組めました。

助けられたグッズたちはこちら参照。 mich0w0h.hatenablog.com

とはいっても、産前〜産後3ヶ月までは体調がダメダメだったのでほぼ進捗なしで、それ以降から少しずつ育児家事の合間を縫っての活動ではあります。

本記事では取り組んだことのなかでも、特に効用が高かったものをPickしていこうと思います。

長いのでざっくり3つに分類し、「技術を深めるの巻」「つくってあそぼうの巻」「英語やっていくぞの巻」としてそれぞれお送りします。

[目次]

技術を深めるの巻

雰囲気で使わずきちんと理解する!整理してOAuth2.0を使うためのチュートリアルガイド

booth.pm

仕事で触れることがありつつよくわからないのでモヤッとしていたOIDCについての入門として読みました。

著者の方が本書の説明欄に記載されていた「まずは OAuth2.0 についてしっかり と理解し、その後、 OpenID Connect との差分を理解する、というのが OAuth2.0 と OpenID Connect の両方を理解するの最短の道だと考えています。」という明快な言説とハンズオン形式で学べることに惹かれて購入。

それまでBOOTH本を買うことがほぼなかったので、どきどきしながら購入したのですが、買ってよかったです本当に。著者のAuth屋さんの本は迷わず著者買いするようになりました。

まだ子から目が離しにくい時期に読み、子に向けて本書の内容を図にして説明していた記憶がすごく残っていて、赤子はラバーダックとしてかなり使えるぞとの気づきをこのタイミングで得ました。

OAuth、OAuth認証OpenID Connectの違いを整理して理解できる本

booth.pm

上記の本で記載されていた「まずは OAuth2.0 についてしっかり と理解し、その後、 OpenID Connect との差分を理解する、というのが OAuth2.0 と OpenID Connect の両方を理解するの最短の道だと考えています。」の差分を理解するのための本です。

こちらもわかりやすくて非常に良かったです。

ハンズオンがcurlでできるのもいいんですよね。ライブラリとか使うと便利なんですがブラックボックス化されてて勉強には足りないので。

この本と一個前の本を読んだことで、明らかにIdentity関連で見聞きする情報の見え方が変わりました。

図解即戦力 暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書

たしかまだ机に向かう余裕もない時期に図書館で借り、トイレなど隙間時間にほむほむ言いながら読んだ本。

状況を踏まえ、あえて深い理論的な部分は受け流しつつざっくり内容を把握するのに留めた記憶があります。

なぜこの本をPickしたかというと、この本をざっと読んでいたことで至る所で頻出する公開鍵暗号方式について復習できたからです。ここが抑えられてたことによって学習が進められたなという場面が多々あったように思います。

Firebase Authenticationで学ぶ ソーシャルログイン入門 ID管理の原則にそった実装のベストプラクティス

IDaaSって結局何をしているのかよくわかってないなと感じて読んだ本です。私の好きなハンズオン形式でしかも著者はあのAuth屋さんということで迷わず購入しました。

アカウントライフサイクルについて図をまじえながら非常にわかりやすく説明されていて、かつFirebase Authenticationを使って実際に実装してみるところまででき、期待を裏切らないどころか期待以上に良き体験を提供してくれた本でした。

前述したOIDCについての本は認証プロトコル自体への理解を深める内容でしたが、本書はより実装サイドに下りてID連携についてより具体的なイメージをもたらしてくれたなと思います。

基礎からわかるTCP/IP ネットワークコンピューティング入門

ネットワークなにもわからん、ということで読みました。入門として良かった。マスタリングTCP/IPの入門編よりはもう一歩踏み込んで解説してくれてる感じが自分にはフィットしました。

パケットキャプチャの教科書

解説的なものをただ読んでてもちょっと物足りないなーと思っていたところで、パケットの中身を見ながらTCP/IPプロトコルの各階層を順に辿っていけるというこちらの本に惹かれて購入。

実際にキャプチャされたパケットをWiresharkで覗き見てみると、それまで文章で読むだけだといまいち実感がわいてなかったことが不思議と解像度が上がるのを感じました。不思議な感覚でした。

この本を読んで「ああこうやって私達って通信してるんだ」って一番実感できたかもしれないです。

手を動かしながら学ぶIPネットワーク

こちらも実際に手を動かしてネットワークと親密度を上げたいなーと思っていたところ見つけた本。

Cisco機器特化かつシュミレータ上とはいえ、ネットワーク機器をコマンド叩いて設定操作してみれたのはとても良かったです。

ブログも書いたりしてるので少しずつ余裕が出てきた時期に取り組んだことがわかります。机に向かわないとできない作業ですしね。

mich0w0h.hatenablog.com

自宅Wi-Fi環境調査

過去記事参照。 mich0w0h.hatenablog.com

伸び悩んでいる3年目Webエンジニアのための、Python Webアプリケーション自作入門

zenn.dev

最近TCP/IPプロトコル周りの勉強やってるんだよねと夫に話したらおすすめされ取り組んだZenn Bookです。

アプリケーションレイヤーに特化した内容なので当初求めていた内容はそんなになく、しかしWebフレームワークの基本挙動を自分で書く体験は興味深かったです。

やってよかったと一番思うポイントとしては、CookieをHeaderにSetするのコードを書く箇所でしょうか。Cookieについてはは説明文程度にしかよくわかってなかったのがぐっと親密になれた感じがしました。

Ubuntuスタートアップバイブル

図書館から適当に本を借りまくっていた中の一冊だったのですが、ハンズオン形式でUbuntuの一通りの設定を体験できるなど、自分にフィットした内容を提供してくれた本でした。

実験用にmini PCをゲットし本書を参考にWindowsのVirtual Box上にUbuntuをインストール、network configでLAN経由のみアクセスを限定して普段使いMacからSSH接続して操作するなど色々遊べて、なんだか一通り満足したのを覚えています。

Linux関連の本を乱読

OSレイヤの挙動が未知すぎると感じていたのと、スキマ時間に本を読むくらいのことしかできない時期が重なってLinux関連の本を図書館で一気に借りては気になるところをざっくり読むなどしました。

ファイルシステムデバイスドライバー、ネットワーク設定、タスクetcをざっくり知り、全くのブラックボックスだったOSについて知識のインデックスを貼るまでにはなったかなと思います。

最近はOSそのものというよりかは、業務で触れる機会があるMDMがOSを通してどのようにDevice Managementを実現しているのかに興味が出てきています。

フロントエンド開発のためのセキュリティ入門 知らなかったでは済まされない脆弱性対策の必須知識

OIDCについて学んでいるとstateredirect_uriなど脆弱性対策として設定されているパラメータがあることに気が付きますが、自分はその脆弱性自体への理解が甘いためにそれらに大して脳が思考停止しているの察知しました。

Webセキュリティの本では非常に有名な徳丸先生のこちらの本があることは知っているのですが、初手としては少し重いなということで、まずはよりコンパクトにハンズオン形式で学べる本書に着手することにしました。

Web Origin, CORS, XSS, CSRF, Open Redirectを実際に実装しつつ学べ、狙い通りこの後紹介するKeycloak本を読むときなど、ここで得た知識が理解の一助となるタイミングがちょこちょこ発生するのを感じています。

Keycloak - Identity and Access Management for Modern Applications 2nd Edition

オライリーの『実践Keycloak』の原著です。

専門用語が飛び交う内容の本だと、日本語訳された本より原著のほうがむしろわかりやすい説あるな?と思い始めたための原著Pickです。結果は上々で、特にハンズオンがある本は英語の方が読みやすいと思いました。

この本は内容が自分にフィットするかは半信半疑でエイヤで読み始めたのでしたが結果的に大当たりでした。

当時、OIDCのフローをライブラリに頼らず自分で実装したらどうなるか試してみたいなと思っていたのですが、この本のサンプルアプリケーションがまさにそれで、「なんで私が今それを欲しいってわかったの?エスパーなの?」となりました。

OIDC, OAuthについて一通り学習した上で改めてIdPの設定をしてみれたのもなんだか新鮮で嬉しかったです。

読み進めている最中に一瞬ハマったことについてブログを書いたりもしました。1個前に書いた本でOriginやCORSについて学んでてヨカッタァとなったやつです。 mich0w0h.hatenablog.com

つくってあそぼうの巻

スマホゲームをリリース

『Macaron 〜マカロンとの7日間〜』という完全オリジナルの超趣味ゲームをUnityで開発してリリースしました。マカロンがゆるーくおしゃべりしてくれるのをほんわか眺めるゲームです。

自分だけのために趣味としてゲームを作るのはとても楽しく、ゲーム開発が楽しくてゲームを遊ばなくなってしまいました。

リリースしたスマホゲームについては詳細は以前記事にしました。 mich0w0h.hatenablog.com

このときに書いたUnityからGoogle Spreadsheetのデータを読み込むコードは便利なのでAsset化したいなーと思いつつ放置されています。 mich0w0h.hatenablog.com

リリース作業大変だった。。。 mich0w0h.hatenablog.com

シンプルなtodo appをつくってみる

家族のメンバーそれぞれの今日やりたいことがお互い見えてるとなんかいいかもね、という話になり、リビングのディスプレイにシンプルなtodoを表示するのはどうだろうかと試しに開発しました。

ChatGPT駆動開発で実装方法から相談してReact製のSPAとして実装。特にCSSに関しては「todo appぽくいい感じにCSSで装飾して」と言ったらほんまにいい感じにしてて感動しました。

GPT色々活用してみている中で、自分が注力したくない部分をシステムが肩代わりしてくれるのを一番実感した経験かもしれません。

なお実装してみたものの、利用者視点としてはWebアプリというのはどうもしっくりこずお蔵入りとなりました。結局紙とかホワイトボードの方がフィットしそうという元も子もない着地。

ゆるかわいいイラストの練習

脳が働かない産前産後期にもお絵描きだったらできることを発見し、一時期シンプルなゆるかわイラストを描くのにハマってました。ゲームを作りたいと思っていたのでゲームイラストに活かしたいという下心もありました。

特に夜中の搾乳中は電動搾乳機のおかげで片手が空いていたため、お絵描きに最適でした。

一番自分にフィットしたのはカナヘイさんのイラスト本です。

この本で練習しつつ、深夜に寝ぼけながら片手に搾乳機片手にペンを握って絵日記を描く日々を送っていました。

英語やっていくぞの巻

英語をほそくながく継続

下記のような気持ちが積み重なって英語学習を産休育休中にコツコツ進めていました

  • 夫が英語学習やっていてそれにつられた
  • 授乳中や散歩中にもシャドウイングなどで取り組め、産後直後でも何か進捗出してる感を得やすい
  • ChatGPTが英語プロンプトと日本語プロンプトで精度が全然違うのを見て、英語の重要度が自分の中で急上昇
  • 毎日のルーティンにしやすい。固定でやることがあると安定感がある
  • 複雑な思考なく取り組めるので産後の体調でも着手しやすい
  • いつかは海外で暮らしてみたいなーという気持ち

英語Podcastをダラダラ聞く

育児家事をしながら英語のPodcastを聞いています。

アプリはこれがお気に入り。Podcastをリピート再生できる唯一のアプリなのでは?

castbox.fm

お気に入りの英語系Podcastは以下

  • バイリンガルニュース | BILINGUALNEWS: 片方英語、片方日本語での会話なので英語聞くのに慣れてないときにぼーっとしながら聞けて良いし内容も普通に面白い。最近は英語オンリーで聞けるようになったので卒業気味。
  • Latest Podcasts - The Wall Street Journal: スラングほぼなしの綺麗な英語なことと内容が興味あるニュースが多いおかげでなんとか耳がついていける。
  • Brains On | Brains On: 自分レベルだと子供向けから始めるのがよかろうと見つけた小学生向けのPodcast。内容も普通に面白くてお気に入り。

WordUpで単語インプット

www.wordupapp.co

Vocaburaryを増やすことは英語学習に不可欠な訳ですが、しっくりくる単語帳もしくは単語アプリをなかなか見つけることができませんでした。

5, 6個アプリを試した結果、自分が単語学習に求めるものすべてが揃っていたのがWordUpです。

以下推しポイント

  • 日本語ではなく英英で単語の意味が学べる
  • すべての単語に画像もしくは動画がついていてビジュアルイメージとセットで単語をインプットできる
  • 脳の性質に則った適切な周期で復習する単語を出してくれる
  • 単語の音声が再生されるため発音もわかる
  • 例文つき
  • 上記の機能を無料会員のまま使える

ELSAで発音矯正

elsaspeak.com

ELSAは発音矯正に特化したアプリです。良い評判をよく見かけますし、界隈では結構有名なんじゃないかと思います。

見聞きする良い評判に後押しされ、自分もELSAを試してみました。

そして、ELSAを毎日少しずつ継続していると「発音を改善することはスピーキングのみならずリスニングにも決定的に効果がある」と確信を深めるようになりました。

ELSAは発音矯正アプリとして本当に優れていると思うので、自信を持って課金をおすすめできるアプリだなと思います。まじで効果を感じる。

DMM英会話を試す

eikaiwa.dmm.com

初月半額につられて入会し1ヶ月だけ継続。入会中は平日毎日レッスンを受けました。 録音された自分の英語に絶望する体験ができたのは非常に良かったです。

後に記載するSpeakに鞍替えすることにし1ヶ月で退会しましたが、人間相手に直接話す緊張感はブースト効果が一定あるのも感じています。

月1くらいで人間相手と話し普段はAIにガンガンフィードバックをもらいながら高速回転で練習するのが良さそうかなーと思っています。

Speakで毎日しゃべる

www.speak.com

DMM英会話は良かったんですが以下のようなデメリットを感じていました。

  • 予定をブロックされるのが精神的に圧迫感を感じる
  • 人間相手にコミュニケーションがんばるのが面倒
  • 話す言葉一つ一つにフィードバックが欲しい
  • その場で即座に話した内容にフィードバックが欲しい
  • フィードバックはテキストで欲しい。口頭だと忘れる
  • 別に褒めなくていいので忖度なしでもっと厳しくフィードバックが欲しい

そしてSpeakはその全てを解決してくれました。AIのフィードバックの質がめちゃくちゃ高くて毎度感動してます。

AI相手でも会話をひねり出そうとする感覚は人間とそう変わらず、スピーキング及びライティングの良き鍛錬となっているのを感じます。

子に英語絵本を暗唱読み聞かせ

日本語の絵本だと読み聞かせるのめんどいなーと思っていたのですが、英語だと自分もやる気が出るし子も楽しそうなのでwinwinじゃんということで結構気に入っているアプローチです。

ただ読み上げるだけだと飽きてしまうので暗唱しています。暗唱することで感情込めたり身振り手振り加えるなど、子へのエンタメパフォーマンスもできて良い感じです。自分でやってて結構楽しいのがポイント。

まとめ

こうやって書き出してみると育休中に色々あったなあとしみじみしますね。

そして改めて仕事をする良さを感じた育休期間でもありました。仕事によって興味の幅が広げてもらったし、逆に仕事と関係ないことも限られた時間でやるぞという気概を持てるのです。

子もかなり安定してきているので、そろそろ仕事復帰してもいいんだがなーという気持ちが数ヶ月前からじわじわせり上がって来ています。保育園〜。

とはいえやってみたいことは無限に湧いてくるので、残り少ない休暇期間はボーナスタイムだと思ってできることを楽しむことにしようと思います。

ライフスタイルや方法論のアップデートとして取り組んだことも多々あるのですが長くなってきたので割愛し、気が向いたら別途記事を書くことにします。

ではでは、2024年も楽しくやっていきましょう。